面白ければいいのではないか

去年は研究の主力であるNMRのデカップラーの調子が悪くて精度が出なかったり(測定のたびにデカップラーのパワーを調整している)、はたまた1ヶ月使って大量に作った化合物の反応の中間体を精査したところ、目的とする経路を経ていないから解析するに値しないことが明らかになったりと困難に直面する年であった。3歩進んで3歩下がっている。奨学金がなかったら多分クビになってたのではないか。日本に感謝である。

しかしながら着実に進展していることもある。学習時間の増加に伴う研究分野への理解の深化である。新しい分野の断片的な知識が少しずつ繋がってきたように思える。

また、英語も下手くそながら会話できるようになった(多分相手が俺のレベルを理解したので早口で喋らなくなったのと、俺のガイジン的な変な言い回しに馴れてきた)のでまあどうにかなるのではないかという楽観がある。毎週の成果報告と月2の文献紹介セミナーのたびに英語のスライド用意するのに慣れてきた感じもする。

今まで浅い理解をしていたり、間違った理解をしていた(強いられていた)ことが段々と適切なものになっていってるのは嬉しい。日本ではノウハウを持っている人間がほぼいない研究なので、こっち来て正解だった感がある。まあ、なにはともあれ現状が面白ければいいのではなかろうか。