ミネソタ汎関数に分散力補正を入れること等についての雑感

最近になって、ミネソタ汎関数に分散力補正を入れた論文を何報か立て続けに見た。違和感を覚えたのでメモしておきたい。
そもそも分散力補正は開発当時の既存の汎関数(B3LYPなど)が分子間力をうまく取り入れることができないという欠点を補うために開発された方法であり、すでに分子間力をうまく表現できるミネソタ汎関数に追加する必要はないはずである。
ミネソタ汎関数の分子間力の再現性については下記の論文が分かりやすい
http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/ar700111a

おそらく、無理に分散力補正をつけた方法では、分子間力を大きく見積もりすぎて分子を無理やり近づける結果になっていることであろう。構造、エネルギーともにその信頼性に疑問が持たれる。
可能ならば、ベンチマークテストを行って結果を比較したいと思っている。