研究指導の反省

学部生を指導する事になった。

 

学部生の時に研究室であまり技術指導を受けた事が無かったので、何を教えればいいのか分からずかなり戸惑っている。学生時代は本や論文を読んだりして自己流の実験をせざるを得なかった(しかし基本的な反応ばかりなので、何をやっても8割方上手く行ってた。手痛い失敗をしたのはBuchwald-Hartwigぐらいか)。

 

しかしながら今回は放置する訳にはいかない。院生ではないから基本テクが無いというのもあるが、何より対象となる化合物が酸・塩基・光・酸化剤に不安定であるため、ちゃんと指摘しないと絶対にうまくいかないからである。

仕方ないので試薬を入れる手順から器具の乾燥法など、一から十までつきっきりで教えている。自分の実験もしつつだけど、デスクに張り付いていられないので計算が回せない。原稿が書けない。

で、焦燥感に駆られてきついスケジュールの中で実験をしていたら、蒸留精製の際に安定剤を入れるのを注意し忘れて全滅してしまった。加熱でもぶっ壊れるのである。忘れてた。余裕が無いとミスをするのである。折角学生が頑張ってくれたのに俺の指摘忘れで全滅はお互いショックがデカい。

 

他人に物事を教えるとなると自分がやる場合の3倍は時間使うし、ポカした際の罪悪感は大きいよねという話であった。忘れないように記しておく。オチは無い。